Moe Machida-Kosuga ✕ Sport Psychology

大阪体育大学 スポーツ心理学 小菅(町田) 萌

女性アスリート育成・支援プロジェクト- シンポジウム –

3月 6, 2016
moemachida

先週2/27(土) に、この3年間関わらせてもらっていた文科省女性育成・支援プロジェクト

「月経周期を考慮したコンディショニング法」(日本体育大学)の事業報告シンポジウムが

行われました!

http://www.nittai.ac.jp/female/

 

ブログにも数回登場しています。

日本体育大学 女性アスリート事業 連絡会

女性アスリート事業連絡会議

 

普段は、やはり同じ分野の先生方とお仕事をさせて貰うことが多いのですが、

こちらの事業では、生理学、疫学、社会学、栄養学、と

いろんな分野の先生方と一緒にプロジェクトに取り込めて

本当に勉強になる、とてもありがたい機会でした。

2.27集合写真①

上の写真は事業メンバーの先生方です!

 

この事業は「月経周期」という、なんとなくスポーツの現場で口に出しにくい(と思われる・・・男性の方は特に)、

トピックを軸に行われました。

月経周期による生理学的な変化、食事や睡眠、体組成、心理面、パフォーマンスの変化など、

いろいろな観点で女性アスリートのコンディショニングに関して、

それぞれの専門家の先生方が見ていくという、大きいプロジェクトでした。

 

私はというと、この事業ではスポーツ・コンフィデンス

(スポーツで成功することに関する「自信」ー スポーツ心理学ではパフォーマンスの重要な決定要因になると言われています)の

月経周期による変化についての調査を主にお手伝いさせて貰いました。

 

自信の「素」になるものには、主に4つあるのですが、その1つが「生理的・情動的喚起」(Physiological and Affective States)です。

これはどういうことかというと、「疲れてる」「心臓がどきどきする」「興奮してる」「わくわくする」とか、

そういうふうな身体、もしくは気持ちの状態が、その選手の中で自信と結びついているときに、

その状態が、自信を向上させるということです。

なので、月経周期による身体や気持ちの状態の変化は、自信の変化にもつながるんじゃないかな、と考えました。

 

さて、この調査で現れたのは、全体的に、痛みとか眠気とか月経周期に関連した症状の重い選手は、自信も低いということ。

そして、そういった症状が月経周期によって大きく変化する選手は、

それにともなって自信も大きく変化する傾向が見えました。

 

それでは、そういうふうに、月経周期に関連する症状の変化が大きく、

自信の程度にムラができてしまう選手はどうしたらいいのでしょうか??

私は月経周期での心理面のマネジメントができると

高いところで安定した自信を保てるかもしれないと考えています。

 

例えば、身体や気持ちの状態のせいで低まってしまう自信を、

他の部分で補える選手は、きっと自信も安定するかなあ、と思います。

自信の素は他に3つあります。

自分ができた!という「成功体験」(これが1番大きい自信の素になります)、

誰かができているところを見る「代理的経験(モデリング)」、

それから、誰かから褒められる「言語説得」です。

 

それら3つの自信の素を使うと、

小さな成功を積み重ねる、友達やチームメイトが自分がやりたいことができていることを見る

(自分ができているところをイメージする/ビデオを見るなどでもOK)、

人に褒められることや人からのフィードバックを肯定的に捉えられるようにする

(あとは自分で自分に話しかける – セルフトーク- もありです)、

などなど・・・いろんな自信を向上、維持させる方法が考えられます。

後は、あまり良くない身体とか気持ちの状態を「今日もいける」と結びつけるようにトレーニングするのも、

1つの方法かな、と思います。

 

まずは自分がどういうときに自信が低くなって、良いパフォーマンスができなくなっているかを知って、

そしてそれに対する対策を考えていくことが重要かなー、と感じています。

 

まだまだ、このトピック(月経周期による自信の変化)に関するエビデンスは少ないので、

是非是非フォローアップをしていきたいです。

 

私は選手としては全然でしたが、スポーツ(水泳、そして少し陸上中長距離)には自分なりに一所懸命に取り組んでいました。

でも、振り返ると月経周期によって試合とか練習が「やだなー」「今日は無理」と思っていることが多かったです。

(もちろんそんなときに良いパフォーマンスができているわけありません)

自分の月経周期がどう身体面や心理面のコンディションに影響するか、ということを真剣に考えたことはなかったです。

そんな選手は多いんじゃないかなー、と思います。

頑張る選手たちの気づきを促すこと、そして彼女たちが楽しくスポーツに取り組むことに、

少しでも貢献したいと、今回のシンポジウムを通して決意を新たにしました!

 

とにかくすごく勉強になった3年間でした。

こんな機会を頂けたこと、それからこの事業を通した全ての出逢いに本当に感謝です☆

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