さて、前のポストでご紹介したGrowth Mindset (しなやかマインドセット)について、
主にDr. Dweckの最近のコラムを中心に、追記をしたいと思います。
前回のポストを読んで頂いた方(もしくはDr. Dweckの本を読んだ方)には、
このポスト(もしくは原文のコラム)にも是非目を通して欲しいです。
下がコラムです (原文) ↓
Carol Dweck Revisits the ‘Growth Mindset’
しなやかマインドセット(”Growth mindset”) についての私のブログポストはこちら。
さて、前回も触れたとおり、
このコラムの中では「しなやかマインドセット」(能力は努力で伸ばせると信じる)が、
教育現場で少し意図と違う形で使われていると、Dr. Dweck本人が指摘しています。
ひとつは、この「しなやかマインドセット」と努力が同じものとして扱われてしまっていること。
努力はもちろんその生徒の成長に重要なのですが、
できていない生徒の気持ちを、そのとき少し上げるためだけに、
例えば、”よく頑張った!よく努力した!”っていう努力だけを褒めて、
その生徒の成長についてのフィードバックをしていない・・・
もちろん、その生徒が努力していることは良いことだし、
それを褒めるのは重要です。
でも生徒が成長できていない、というのは良くないですよね。
本当に生徒の「しなやかマインドセット」を育てたいのであれば、
生徒の今の成長の度合いをしっかり明確にして、
「ここまで何を試して、これからどうしていくか」を、
生徒と一緒に考えて、話し合うことが重要だと指摘しています。
あとは、「硬直マインドセット」(能力は生まれつきで努力で伸ばせないと信じる)が、
生徒が成長していない理由に使われてしまっていること。
「あの生徒は硬直マインドセットだからだめなんだ!」みたいな感じで・・・
その生徒が成長できない理由を探すんじゃなくて
(そしてそれをマインドセットのせいにするのじゃなくて)
どうしたらその生徒の成長を促せるか考えるのかが、本当に「しなやかマインドセット]を
理解している教師だ、とも指摘されています。
そして、この「しなやかマインドセット」のコンセプトが教育現場に浸透して、
いろんな人達が「自分はしなやかマインドセットを持っている」と言うようになったのですが、
マインドセットは「しなやか」なのか「硬直」なのか、どちらかというものではないというのを、
理解することが必要だと語られています。
”the path to a growth mindset is a journey, not a proclamation”
”「しなやかマインドセット」への道のりは旅であって、宣言ではない”
この「しなやかマインドセット」を教育の場(もしくは他のところでも)で
私たちが関わる人達に、真の意味で促していくためには、
まずは自分の「硬直マインドセット」を認めること。
私たちは「しなやかマインドセット」も「硬直マインドセット」もどちらも持っている。
そしてたぶんこれからもずっとそうで、自分たちの「硬直マインドセット」から来る考えや行動に
常に気づいていることが重要だと・・・・
前回、私もこの「しなやかマインドセット」に衝撃を受けた、と話していました。
それで、自分のリーダーとしての能力に対する「硬直マインドセット」に気づいたと・・・
そこで、これからどうするか、リーダーとして成長するためにはどうしたらいいのか、と
考えられるようになりました。
今もこの「硬直マインドセット」は私はリーダーシップでも
リーダーシップ以外の場でも(教育、研究、コンサルティング、などなど)
完全になくなっていないし、たぶんなくならないんですね。
でもそれがわかっていれば、それに気づいたときに、
修正ができる、成長へのステップを考えることができる。
このDr. Dweckのコラムでの補足は本当に重要だと思ったので、
ちょっと長くなりましたがまとめつつ、紹介しました!
前にも話しましたが、教育、スポーツ、ビジネス、人間関係、
いろんなところで必要なコンセプトだと思います。